今年に入って、「仲介手数料裁判 東急リバ敗訴」というニュースがありました。
「元・入居者の男性が賃貸仲介手数料の一部返還を求めて東急リバブルと争った裁判の上告審判決で、東京高裁は14日、東急側の上告を棄却した。」
とのことです。
ざっとみると、契約時に手数料を一ヶ月分払うことに承諾を取るタイミングが遅れると、すでに手数料を支払っていても、無効、という判断がくだされたようです。
宅建業法では、借り主から受け取ってもよい仲介手数料の上限は「原則0・5カ月分+消費税」と定まっていますが、仲介依頼が成立するまでに借り主から承諾を得ておけば、家賃1カ月分でも違法にならない例外規定も存在する、というのがややこしくなる原因です。
一般的に、不動産屋でアパートなど契約すると、何も言わなければ、借り主は1ヶ月分の手数料を自動的に取られ、契約終了しても返還されません。
借り主に「仲介手数料を1ヶ月分頂いてもよろしいですか?」などと尋ねる仲介業者はごく少数だと思います。
上記のような裁判が起こされて争う原因は、例外規定など作っている国土交通省の責任だと思うのですが、その曖昧な宅建業法第46条を抜粋してみます。
第四 貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の 額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。
以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は 建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものであ る場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一倍に相当す る金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方か ら受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。
ややこしいですね。
双方から、などと書くからいけないのだと思うんです。
貸主、借り主、それぞれ別に上限を設ければよいのではないでしょうか?
貸主から家賃の0.55倍、借り主から家賃の0.55倍、というふうにです。
半額+消費税、ということです。
時々、仲介手数料の相場など調べる人がいますが、変動するものではないので、相場というものはありません。

ただし、無料はあります。
それは、貸主と借り主が直接契約する場合です。
間に仲介するものがないので、仲介手数料も発生しない、というわけです。
売買ではありえないのですが、賃貸ではこういうケースもあります。
賃貸の契約時で、一番言いなりになりやすいのは借り主です。
なぜなら、貸主や仲介業者は日頃から取引に慣れているプロであるのに対し、借り主は一時的に不動産取引に関与するだけの素人だからです。
仲介手数料の取り決めなど、事前に調べて仲介業者に交渉できる人はどのくらいいるのでしょうか?
契約時には審査などもあり、無事に入居できるのか不安に思っている際、仲介手数料は一ヶ月分です、などと言われたら反論しないケースがほとんどだと思います。
私は以前、不動産会社で賃貸や売買、管理の仕事をしていました。
たまに、仲介手数料のことを言ってくるお客さんはいましたが、それは他の審査で弱みのない強気のお客さんでした。
賃貸の契約に来るお客さんは、だいたいどこかに不安要素を抱えているものですから、仲介手数料くらいのことでトラブルにならないように、はっきり取り決めを示してもらいたいものです。


